XIII 死神
XIII 死神のカード
タロット『XIII 死神』の意味
“死神がいます。怖いですね。本当に死神なんて見たら恐怖で失神してしまいそうなほど怖いです。でもタロットの死神はそういう存在とは少し異なります。過去を刈り取り、新たな状況の展開が生ずるというカードです。でも確かに、現状に満足している場合はやはり変容は怖いものであるかもしれません。でもこのカードでは、上方に太陽が輝いていますので、変容することで新たな希望が見出せるという事をほのめかしているといえます。”
『タロットカード78枚意味と解釈』
死神(Death)より抜粋
不幸な人も、それを眺める人も
平等に刈りとる死神
さっきあなたは質問なさったでしょう、こんな風に人の心を解剖しているのは、その不幸な人に対する軽蔑があるんじゃないかって。あの質問はまさに殉教者的なんですよ・・・だってそうでしょう、どうもうまく表現できないけれど、ああいう質問の浮かぶ人は自分も苦しむことを知っている人ですよ。あなたはその肘掛け椅子に座ったまま、今だっていろいろなことを考えぬいていたに違いないんです
by 『カラマーゾフの兄弟』アリョーシャ
奢れる者も久しからず
”その不幸な人に対する軽蔑”を抱く者にも死は平等に訪れる
死神は対象が誰であれ情け容赦なく死を刈りとる存在なのだから
タロット・ヴィジュアライズ・アート『XIII 死神』

(2023年 石膏にテンペラと金箔 )
死神は神の使い
死神は生々流転の理である生から死へのプロセスに立ち会う神の使い
恐ろしい存在ではあるものの神の摂理を全うする正しき使者でもある

死を意識した時、ようやく成すべきことが見えてくることもある
いつでもそこにあるかもしれない死を思う時
いかにして生きるかという想いが噴出し
そこでようやく本当の生が立ち上がるのかもしれない

構図は『Ⅴ 法王』と同じ

構図は『Ⅴ 法王』と同じです。
人の世の精神性と生存についての象徴的な存在である法王と、人間の死に立ち会うこれまた神の使いである死神を対比的に配置してみたかったのでこのような構図に。