X 運命の輪
運命の輪が回転しています。果たして好転しているのでしょうか。いずれにしても何らかの変化が起こりそうな雰囲気です。今までの状況が一転する可能性すらあります。そしてそれは良い意味でもあり、悪い意味も含まれます。このカードが出たときは現状が変わることが予想されます。良い状況が続いていた人はひょっとすると運気が変わってしまうかもしれないという警告的な意味合いも含まれます。逆に良くない状況下にいた場合は好転する可能性があります。運命の輪はある意味とても平等に回っていて、楽あれば苦あり、苦あれば楽ありの人生が常であり、何事も一定では無いことを私たちに暗示しています。
『タロットカード78枚意味と解釈』
運命の輪(The Wheel of Fortune)より抜粋
タロット・ヴィジュアライズ・アート『X 運命の輪』

2023年 シナベニヤに石膏 テンペラ
22.7×15.8cm
カードの意味
訪れる好機、チャンス、偶然性、めぐり逢い、波に乗る
実力を認められたい方、
努力を評価されて社会的に成功したい方、
訪れたチャンスの波に確実に乗りたい方におすすめです。
生々流転のことわり
世の中は常に動いています。栄華を極めてもやがてそれが朽ちて次に新たに生まれるものが取って代わるのがこの世の常であり歴然としたことわりです。太陽が昇ってサンサンとした光が射すこともあれば日が沈みやがて薄ぼんやりとした月光に照らされることになり、この流れを繰り返す。。。それがこの世の摂理です。何事も頂上まで昇ったらあとは落ちるだけ。であるがゆえにこの天のことわりを前提にして事前に対応と備えを考えることができ、それが占いなどの運命学を使って開運する者の基本的姿勢であるといえます。
運命の輪のカードは栄枯盛衰
タロットの運命の輪のカードも栄華を誇った者がその後落ち、虐げられていた者がやがて花開くという栄枯盛衰を表すカードです。絵の通り輪がぐるぐると回転して落ちていく者と昇っていく者、そしてトップに君臨する者が描かれています。洋の東西を問わずこの摂理は共通しています。地の理としてこのサイクルはもはや絶対的なもの、ということができるでしょう。最近の世の中では貧富の格差が増大し、富める者が持たざる者を凌駕している実態が叫ばれているようですが、この”富める者”=栄華を極めし者たちは果たしてこの地の絶対的な理を止めることが果たしてできるのでしょうか。富の力、資本の力はこの地の理を覆すに十分たり得るのだろうか。今まさにその富の力を使った”チャレンジ”が進行中であるようです。
運命の力を味方につけるために
時節を知る事が運命の力を味方にするためには必要であると頭では理解できても実際に自分がどこにいて、動くべきか留まるべきか、いつも揺れ動いているのが人の常かもしれません。生年月日から運命を辿るいわゆる命占でもある程度の状況は読むことが可能かもしれないけれど、こちらは同じようなカテゴリーに属する「人々」を一括りにしておおよその傾向を掴むための仕組みであるため、パーソナルユースとしては実はかなり大雑把すぎる点が気掛かりです。その点、都度都度結果が変わるタイプの卜占であるタロットと易は、その時の状況を炙り出し、さらにそこでどう動くべきか、引くべきかを提示してくれる優れものです。時流は刻々と変化しているもののその小刻みな流れだけに意識を向けていると大海の大津波に飲み込まれてしまわないとも限りません。縦横無尽に「その時」の気の状況を掴んでいかに自分を律するか、そのヒントをくれるのが卜占です。易もタロットもそれらにふさわしい働きを示してくれるでしょう。
タロット・ヴィジュアライズ・アートの『運命の輪』はそれら生々流転の理を日々私たちに意識させてくれます。奢れる者は久しからず、と言われるように、自身が好調な時には調子に乗らないよう自身を戒め、不調の波に沈んでいる時は次に来たる幸運期に備えて実力を身に着けるべく下積みに甘んじても腐ることなく乗り切っていけるでしょう。それが地の理である以上は必ずその時が訪れる事を信じて、自分が今どうすべきか、を常に意識して適切な動き方を整えていける、それがこの作品を飾りたくなる理由といえます。
時流を認識し、適切な対処をするための一枚です。