別テーマ『他人をリーディングするとき』でも書いたのですが
ここでは基本的にタロット占いはタロット占い、として考えているので
同時にカウンセリングはしないという立ち位置です。
タロットにカウンセリングを薦めない理由
タロット占いとカウンセリングは別物だからです。
・・・ただ最近、むしろカウンセリングが少しずつスピリチュアル系に寄ってきてる感が無くも無いのですが。。。
スピリチュアルの領域にカウンセリングが寄ってきてる
懸念すべき点はむしろカウンセリングが
スピリチュアルに寄ってきてる、という印象がある点ですね。
例えば”カウンセリング”というキーワードで検索すると
【カウンセリングの目的】
心の病気やストレスの緩和を目指す
自分の願う生き方を模索していく
自分の考えや気持ちを整理する
気づきを得る
問題解決の糸口を見つける
という検索結果が表示されてきました。
一番上の「心の病気やストレスの緩和を目指す」は本来のカウンセリングの
スタンスだったように思いますが
それ以外の項目、まさかの”気づきを得る”というスピ系あるあるキーワードが使用されていて
カウンセリングはスピリチュアルに寄ってきてるということなんだなと。
（検索のキーワード対策を意識した作りになってるな、と。ま、それは置いておくとして）
というより、スピや占いの領域を
カウンセリングという手法で凌駕していくアプローチを始めてるということかもしれません。
それはそれでいいのですが。
なぜならここではタロット占いというスタンスを崩さないように、
カウンセリングの手法に立ち入らないように、
と繰り返しているので。
ですのでいろいろな質問にお答えするにしても
出たタロットカードに即してお話するのが基本マナーであると考えています。
魂を分析せず尊重する意識
あくまでも占いのスタンスを守りながら
相談者の尋ねたい事に対して
占いとしてご返答する、ここがとても大切だと考えています。
タロット占いの場合、あくまでも出たカードを介在させながら
タロットリーダーの解釈をお伝えし、そこから先に立ち入るのは控えないと
余計な領域介入を勝手に行っている可能性が出てきてしまいます。
相手を魂として捉えて
その魂それ自体を包み込むように尊重し続ける感受性が必要なので
その領域に勝手にズカズカと入り込んでいくのは限りなく失礼なんですよね。
相手がカウンセリングを仮に望んでいたとしても
その場合はカウンセリングに行った方がいいとお伝えすべきであって
そこから先にタロット占い師は介入すべきではないはずですね。
いずれにしても
何度も繰り返し書いていますが
タロットは魂を扱う場であって
分析的に分解していく作業はしない方が良い＝精神分析的、心理学的な学術的アプローチを使いながら人間に対応するのではなく、人間を一個の全体として尊重し、対峙しながら、運命学的に偶発的に表れた事象（タロット）から得られた情報をご提供する、という立場がむしろ健全だと思います。
というか、もともと人間の精神を切り刻んで細分化して再構築するかのような分析的アプローチが直接相手の心に手を突っ込んでいくかのようなやり方がピンとこないというのも理由ではありますが。
いきなり外科手術していくかのような無謀さを覚えます。
だからこそ、相手の魂の了承が無い限り勝手な真似はしない方がいい、と申しますか。
たかが占いだし、で切り捨てる余力が本人に残るのが利点
ナントカの母のようにぐいぐい言ってくれる占い師に慣れてる人はそんな柔らかさだと物足りないと思うかもしれません。
逆に占い嫌いな人や占いに批判的な人は、たかが占い師に人生決められたくない、と仰ったりするのですが
たかが占いだからこそ、いいのです。たかが占いだし、で切り捨てる余力が本人に残りますもん。
一方で権威にどっぷり裏打ちされた精神分析や心理分析ではそうはいきません。何か診断されたらその段階で権威に押しつぶされてしまい、下手をするとむしろ再起不能になってしまいます。精神は切り刻んで分析できるような簡単で合理的なものではありえないにも関わらず、です。
タロットは魂という最大の神秘を解き明かす場
たかがタロット占い、と揶揄されたとしてもタロットの現場では最高のパフォーマンスを発揮する、タロット占い師としての役割を果たす、そのような心意気であればそれでいいのです。
そこに在られる魂の存在を最大限に尊重しながら
その存在の放つエネルギーを中央にあるタロットカードに投影する偶然という名の必然に身を委ねて
魂という最大の神秘を解き明かす、それがタロット占いの場だと理解しておくことが望ましいですね。